自閉症スペクトラムを取り巻く環境について調べてみた

  • 2018.09.30
自閉症スペクトラムを取り巻く環境について調べてみた

自閉症スペクトラム障害にオキシトシンが効くという過去の記事。

たまたま別の記事を読んでいてこの記事が目に留まった。

日付は2014年1月。

もうすぐ5年になる。

(カラパイア 不思議と謎の大冒険  2014年01月08日
「オキシトシン」を鼻からスプレーすることで、コミュニケーション障害が改善することを実証(日本研究)より

http://karapaia.com/archives/52150626.html)

 

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自閉症スペクトラム障害にオキシトシンが効く?

 

 

自閉症スペクトラム障害にオキシトシンが効く?

 

この記事によると、脳内分泌物質であるオキシトシンを鼻からスプレーすると、自閉症スペクトラム障害の人が特に苦手とする、対人コミュニケーションが改善されるそうです。

オキシトシンは、ホルモンの一種。

脳の下垂体後葉から分泌されます。

他者への信頼性や愛情の形成などに関与していることが報告されていて、この血中濃度は、 自閉症の患者や虐待を経験した母親などで低いことも報告されている。

そのため、オキシトシンの今後の応用が期待されているようですが、その後何か進歩があったのかが気になる。

 
 
 

自閉症スペクトラムとは

 

自閉症スペクトラムとは

 

  自閉症スペクトラム(ASD) 注意欠如・多動(ADHD) LD(学習障害)

を合わせて 発達障害と呼んでいます。

 

 ASD(自閉症スペクトラム障害)は、社会性やコミュニケーションに困難を抱える障害のことをいいます。

以前は自閉症、アスペルガー症候群など、別々の障害名がついていました。

これを一つの連続した症状としてみる新しい分類方法です。

重い知的障害がある人から、知的機能は普通で、対人関係がうまく取れない人までを含みます。

 

自閉症スペクトラム障害の特徴として以下の特徴がありますが、現れ方や程度はひとそれぞれです。

療育にはそれぞれの特徴に合わせた働きかけが重要です

 

ASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴

・年齢相当の仲間関係ができない

・視線が合わない、合わせにくい

・明文化されていないルールを理解するのが難しい

・その場の雰囲気を理解することが難しく、場にふさわしくい行動をとることがある

・他者の気持ちを理解できないことが多い

・一方的にしゃべる、あるいはしゃべれないなど、会話が成り立たない

・片付けができない

・同じ言葉を繰り返したり、言葉の抑揚がなかったりなど、会話が不自然

・興味に偏りがあり、執着しすぎる

・感覚が過敏あるいは鈍感すぎる

・変化を極端に嫌う

・同じ行動を繰り返す

 

明らかに他人が見てちょっと違うなと気づく場合は上記の特徴がよりはっきりとでているのでしょう。

問題なのは、このような自閉症スペクトラム障害の特徴に厳密に当てはまらない人です。

普通のようだけど、なにかがちょっと違うというレベルの人

 

一般的に、片付けができない人や執着がかなり強い人、変化を極端に嫌う傾向の人は大勢います。

他人に迷惑をかけない範囲であり、コミュニケーションに全く問題がないならば、この性質を個性としてプラスに捉えることもできますよね。

これに対して、コミュニケーションがいつもうまくいかずに長年悩んでいる方は、自閉症スペクトラム障害を疑ってみる余地があります。

このように、自閉症の特徴には該当しないレベルだけど、なにかがちょっと違うという人まで自閉症 スペクトラムとすると、ものすごい数になるのではないでしょうか。

 

コミュニケーション障害を改善させる商品の実用化を早急に実現してほしいですね。

オキシトシンはその後どうなっているのでしょうか。

 

 

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オキシトシン経鼻スプレーのその後

 

オキシトシン経鼻スプレーのその後

 

オキシトシンはその後どうなったかを調べてみた。

国立研究開発法人 日本医療研究開発機構の「世界初 自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの治療効果を検証しました 」の記事を読んでみた。
https://www.amed.go.jp/news/release_20180629-02.html

 

残念ながらまだ実用化には至っていません!

オキシトシンによって、自閉症スペクトラムの症状の改善はみられるが、対人コミュニケーションの障害そのものに対してはまだまだ検討すべきことがあるというところでしょうか。

 

 

自閉症スペクトラムは診断が早いほど社会適応能力を高める

 

自閉症スペクトラムは早期診断が重要

 

自閉症スペクトラムは早期に療育(社会的に自立できるように取り組む治療と教育)を始めることで、日常生活の適応能力を高めることが可能です。

療育訓練は早ければ早いほど良いと言われています。

 

社会人になって自閉症スペクトラムと診断された方の例です。

知的障害はなく、大学を卒業しましたが、 コミュニケーションがうまく取れないことが原因で転職を繰り返してきました。
小さいころから人間関係で悩んでいたということです。

スーパーで働いていた時に、お客さんから「 この商品はどこにありますか?」と聞かれたそうですが、その時の返答は「 分かりません。
普通分からなくても、お客さんの探している商品を探しますよね。

その意図がくみ取れず、分かりませんで終わってしまったようです。

小さいことですが、上司の指示でも同じようなことが重なると、人間関係は悪くなっていきます。

結局居づらくなり辞めて、別の仕事を探すことになる。

その後、テレビで自分の障害を知り、病院に行って診断がついたということです。

 

(NHKニュース おはよう日本
自閉スペクトラム症 早期発見で支援を
ASD・自閉スペクトラム症 見過ごされる実態より
2016年6月13日(月)
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2016/06/0613.html)

この方は、 自分が自閉症スペクトラムだと早く知っていれば対策もできたとコメントしています。

 

 

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自閉症スペクトラムの脳の働きを診断につなげる

 

自閉症スペクトラムの脳の働きを早期診断につなげる

 

自閉症スペクトラムの診断は、親に対する問診や、子供の行動を短い時間観察するだけでは難しいですよね。

そこで、  小児用MEGという機械を使って診断していく取り組みが行われています。

 

金沢大学の研究チームは、自閉症スペクトラムの子供、そうではない子供、合わせて100人に幼児番組の映像を見せて、脳の働きを調べました。

この機械は、脳の働きを細かく分析することが可能。

この結果、 自閉症スペクトラムではない子どもは、「左脳の前側」と「右脳の後ろ側」が活発に信号を送り合います。
コミュニケーションにおいて重要な役割を果たしているとみられている信号です。

これに対し、 自閉症スペクトラムの子どもは、送り合う信号の量が少ないことが分かりました。

(参考: NHKニュース おはよう日本
自閉スペクトラム症 早期発見で支援を
ASD・自閉スペクトラム症 早期発見で支援を
2016年6月13日(月)
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2016/06/0613.html)

 

問診だけではわかりません。

項目によってはそういう時もあるし、そうでない時もあるというようなあやふやな場合も多いです。

脳の信号の状態でわかるならば、正確なので受け入れざるを得ない。

より正確に早めの診断ができて支援につなげることができます。

 

この小児用MEGは2016年には実用化していませんでした。

その後はどうでしょうか。

調べましたが、こちらもまだ 実用化されていません!!

もどかしいですね。早く実用化して欲しい。

 

 

自閉症スペクトラムの程度が軽い人が抱える問題

 

自閉症スペクトラムの程度が軽い人

 

自閉症スペクトラムの特徴に厳密に当てはまらない程度が軽い人。

発達に遅れもなく、知的機能も一般的な人と同じ。

限りなく普通だけど、コミュニケーションだけはうまくいかずに長年悩んでいる。

まさか自分が脳に障害があるとは本人も家族も思いません。

そのため、医療機関に頼らず普通の生活を続けることになります。

 

このような方々は、 自分は皆と同じだと考えているため、

「どうしてコミュニケーションが自分は苦手なんだろう。みんなと同じように話せない、会話を楽しめない、空気を読めない」など、 年齢を重ねていくほど対人関係に行き詰まりを感じ、一人で悩む傾向が強くなります。

 

このように、程度が軽い人の方が社会の中で生きにくくなるのではないでしょうか。

職場での孤立などを経験し、精神的に追い詰められる。

その結果、うつ病などの精神的な病気になり、転職をくり返す。

あるいは、自分に自信がなくなり、社会に復帰できなくなり、引きこもるようになる。

あるいは、自暴自棄になり、犯罪を犯す。

 

このように、社会に貢献できる人材なのに、コミュニケーション部分に問題があるために社会復帰が難しくなっていく。

生きづらさを抱えながら、更なる悪循環に陥ることになる。

非常にもったいないですよね!

 

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大人に特化した発達障害外来の必要性

 

大人に特化した発達外来の必要性

 

うつ病などの根底には、発達障害が潜んでいる。

そのため、うつ病を薬で治しても、根本的な障害にアプローチしないとまたうつ病になる。

  発達障害は、苦手な分野を工夫して補う練習をしていくしかないのです。

障害であって、病気ではないのですから。

 

官公庁や大企業が集まる東京虎ノ門に、大人の発達障害外来の病院があります。

メディカルケア虎ノ門。

このクリニックでは、 診断後の治療プログラムが充実していて、職場復帰・復職支援に実績があります。

 

レクチャーは、月1回土曜日に3時間かけて行われます。

参加者は80名程集まる時もあるそうです。

発達障害に特化したプログラムもあります。

復職支援プログラムは、半年から1年をかけて行っています。

復職に向けての具体的なアプローチに取り組んでいます。

 

メディカルケア虎ノ門  院長 五十嵐良雄
東京都港区虎ノ門1-16-16 虎ノ門一丁目MGビル3階・4階

 

 

柏駅前なかやまメンタルクリニックでは、2017年3月31日より大人の発達障害外来を開設しています。

ここでは、薬に頼るだけではなく、リハビリテーションプログラムを行っています。

専門医、臨床心理士による問診や心理検査を受けて診断を確定。

自閉症スペクトラム障害であると診断された場合は、リハビリテーションを中心に治療を行っていきます。

 

~自閉スペクトラム(ASD)の方のためのリハビリテーションプログラム~

苦手なコミュニケーション力の向上や柔軟な思考力を身につけること、感情を上手にコントロールすることを目標に認知行動療法、社会技能訓練(SST)、表情訓練などを通じて、うまく日常生活や職場、学校に適応できるスキルを身に着けていきます。仲間もでき、楽しみながらスキルが自然と身に付きます。

出典:心療内科・精神科 | 柏駅前なかやまメンタルクリニック 院長  中山 貴至
住所 千葉県柏市旭町1-1-2 YK-7ビル6F
https://kashiwanakayama-cl.com/adult-developmental-disability.html

 

メディカルケア虎ノ門、柏駅前なかやまクリニックでは、 同じ悩みを持つ仲間と楽しみながら社会生活に対応できるスキルを身に付けることができます。

生きづらさを感じる方は、大人の発達障害外来を利用してください。

病院はプログラムが充実しているところを選ぶことが重要ではないでしょうか。

ですが調べた限りでは、このようなプログラムがある病院は非常に少ないです。

残念ですよね。数を増やして欲しいですね。

 

まとめ

 

まとめに使う画像

 

・コミュニケーション障害を改善するオキシトシン経鼻スプレーは商品化には至っていない。

・自閉症スペクトラムかどうかがすぐに診断できる機械も実用化には至っていない。

・自閉症スペクトラムは診断が早いほど社会適応能力を高める。

・自閉症スペクトラムの程度が軽い人ほど要注意。精神的に病むことにより、社会復帰ができなくなる危険性がある。

・生きづらさを感じている人は、大人の発達障害外来のリハビリプログラムを積極的に利用して社会適応能力をつけることが重要。

 

自閉症スペクトラムを取り巻く環境はまだまだ厳しすぎます。

生きづらさを抱えて成長した方の数はかなり多く、解決方法は限られています。

私達は人生を楽しむために生まれてきたのであり、生きづらさを感じるために生まれてきたわけではありません。

人生を今よりもっと楽しみたいですよね。

 

社会に適応する力をつけるために病院に相談する場合は、プログラムが充実している大人の発達障害外来を探してください。

ネットで検索する場合は、検索欄に  大人の発達障害 医療機関リスト 香川県 というふうに、お住まいの地域を指定して検索してみてください。

ご自分に合う病院が見つかりますように。

 

大人の発達障害外来の数が増えると、生きづらさを抱える人が減る。

社会適応能力がつき、社会復帰できる人が増える。

社会にとってもプラスになりますよね。

大人の発達障害外来が急増することを期待します!

 

 

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